大型連休2018。復興の進む熊本市を見て回った話
島原から海上航路を渡り、辿り着いた先は熊本県。
平成28年の熊本地震から2年が経過し、現地の今はどうなっているのだろう?
過去にも訪れた事のある熊本。久しぶりという事もあったので、半日ほどぶらりと歩いてみました。
このページはこちらの記事の続きです。
2018年5月5日(土)
早起きはなんとやら。という事、で宿泊していたホテルで手早く朝食を済ませたら早々に出発。
旅行者の朝は早いのだ。せっかちとも言う。
熊本は過去に2回訪れた事のある都市ですが、まだ足を運んだことのない場所は多々。
という訳で水前寺公園へと足を運んでみました。いわゆる「庭園」で早い時間から空いているので助かります。
水前寺公園(水前寺成趣園)は寛永9年(1632年)、肥後細川初代藩主・細川忠利公(ほそかわただとしこう)が
御茶屋を置き、その後の三代目藩主網利公(つなとしこう)の時代に庭園が完成。後に成趣園と名づけられました。
庭園の良さはよく分かりませんが、早い時間に訪れたので、まだ観光客も少なくて落ち着いた雰囲気なのが良い。
別アングルより。
この水前寺公園も平成28年の熊本地震の被害があり、震災直後は池の水がほぼ干上ってしまったという。
その後に池の清掃やポンプによる給水を行った結果、数ヶ月後には震災前と同水準の状態に戻ったという。
熊本といえば阿蘇山による豊富な湧水で有名。
水前寺公園内にある出水神社からも、湧水と思われる水がだばだばと出ています。
ひととおり公園内の雰囲気を楽しんだ所で公園を後にします。
ここへ来るときにはまだ営業前だった参道の商店が営業を始めていたので、ちょっと休憩がてら立ち寄る。
熊本といえば郷土の菓子である「いきなり団子」が有名ですね。
サツマイモの食べ応えが好きで、名古屋でも物産店などで販売している際によく買います。
水前寺公園は中心地とはちょっと離れており、庭園以外にも寄る所は無いかと事前に観光ガイドをチェックしていたところ
「洋学校教師館(ジェーンズ邸)」という施設がある事を知る。水前寺公園から歩いて行けるようだ。
調べてみるところ、明治時代にアメリカ人教師の為に立てられた邸宅が保存されているらしく
これは写真映えしそうな感じかなー?と想像しつつ足を運んでみたのですが・・・。
そこに洋館はありませんでした。
併設されている夏目漱石大江旧居の方に話を伺うと、2年前の震災の際に崩壊してしまったという。
夏目漱石大江旧居に倒壊前後の写真が残っていました。
現在、基礎の部分を残し建物は撤去されているが、保存している建材を使い、再建に向けて計画が進んでいるそうだ。
こちらがジェーンズ邸の隣にある夏目漱石大江旧居。
夏目漱石が熊本で生活していた際に、3番目に住んでいた家を保存・公開しているそうです。
へぇ、夏目漱石が熊本に住んでいた時期があるのかー、という浅いレベルで見て今したが
内部は夏目漱石に関する展示物がずらり。手入れの行き届いた古い家屋って部分でも見ていて面白い。
調べてみると、夏目漱石は熊本に滞在する4年3ヶ月のうちに6回の転居を繰り返しており
一番長く住んでいたのが5番目の「内坪井旧居」という所でしたが、震災により公開が出来ない状態になったそうで、
その代わりとして、通常非公開であった3番目に住んでいたこの「大江旧居」を公開する流れとなったそうだ。
何気なく立ち寄った観光スポットでも震災の爪痕を知る事となった。
遠隔地でテレビ等で知る事の出来る情報なんて、ほんの一握りなんだなと実感した。
さて、水前寺エリアを離脱して次へ向かいましょうか。
向かった先は中心地に近い熊本市役所。連休の市役所に何の用事?
実はここの庁舎が休日も展望台として無料開放されているとの事だったので、これは利用しないと!
休日用の出入口から庁舎へと入り、エレベーターで14階にある展望フロアへ。
街並みが見渡せる系の展望台という訳ではなく、
熊本城の正面という立地を生かして、熊本城を見るための展望台と言ったところでしょうか。
テレビ等のニュースで大きく取り上げられた熊本城の天守閣。
被害は大きかったですが、震災後から天守閣復元に向けて作業中。現在は足場が組まれてこんな状態でした。
市役所の展望台を降り、熊本城の方へ行ってみました。
天守閣があんな感じだったし、全体でもそれなりに作業が進んでいるのかな?なんて思っていましたが
作業どころか、殆ど手が付けられていない状態の場所を目にする。
熊本城の被害は天守閣だけでなく、様々な部分が震災の被害に遭っていた。
考えてみれば当たり前かもしれないけど、実際にそれを目にして改めて被害の大きさを知らされた。
連休で観光客も多く、熊本城の脇にある商業エリアでは様々な出店がありました。
あ、これは熊本のソウルフード「サラダちくわ」じゃないですか。いっこ食べてみよう。
ちくわの穴にポテトサラダを詰めて「ちくわ天」に仕上げたもの。
うん、感想は「ポテトサラダとちくわ天」と、想像そのままの味わいですが、相性は悪くないぞ。
九州は地理的に中国と近いためか、中国人観光客を多く見かける気がする。
その証拠という訳では無いけど、所々で「Alipay使えます」の案内がある。日本でも浸透して欲しいですね電子決済。
前記のとおり熊本城は復興の真っ最中。
震災前のような見物は出来無いものの、復興の模様が見学出来るように観光ルートが組まれていた。
復興見学ルートとは書いてあったものの、さっきの所と同様にまだ手が及んでいない所が多い。
崩壊した石垣を目の当たりにすると、再建までの道のりは長そうだ。
そんな状態ではありましたが、連休という事もあり多くの観光客の足がありました。
熊本城内にある加藤神社。加藤清正公を祀る神社からも天守閣の姿を見ることが出来ます。
熊本市役所の展望台からは反対側のアングルになるのですが、
足場や金属の土台が丸見えの状態になっており、城というか何だコレ?という状態になっている。
かつての姿がこちら。石垣が撤去されていたので見た目に違和感があったのか。
熊本城から近くはないけど遠くはないので、熊本電鉄の藤崎宮前駅にやってきました。
北熊本駅でお目当ての車両が居ました。もちろん熊本電鉄01系ですね。
元東京メトロ01系なのですが、結構な改造を加えられているので有名。せっかく熊本に来ているのだし見ておきたかった。
車外も車内も「くまモン」のラッピングなので、あまりメトロ時代の名残はないかな・・・?と思いましたが
ドアのステッカーに東京メトロの文字が。あえて残してるのかな、これ?
元々は付いてなかったパンタグラフを付けたり、川崎重工の新型台車を装備したりと改造は多岐にわたる。
見所は色々ありますが、ここでの紹介は省略。
列車に揺られ上熊本駅まで来てしまいました。
路面電車で再び熊本の中心地まで戻りましょう。
珍しい車両といえば、路面電車の方にもありましたね。
ドーンデザインでお馴染み、水戸岡鋭治氏による超低床電車「COCORO」を狙って乗車。
ドーンデザインの車両といえば、どこの鉄道会社の車両でも共通の特徴がありますよね。
全体的に木材や木目調を基調としたデザインとか。
座席に木製のテーブルがあったり
つり革の輪の部分とか、ブラインドが木製だったり。
水戸岡鋭治氏による、ちょっと特徴的なイメージイラストがあったりするのも共通ですよね。
ドーンデザインをさらっと確認したところで、新幹線に乗るためにJR熊本駅へやってきました。
そういえば、この駅舎も取り壊しになるんでしたっけ。
私が初めてドーンデザインの車両に触れる機会となったのが熊本駅だったので、ちょっと思い入れがあったり。
旧駅舎は2018年3月で営業終了となっており、機能や商業施設は全て新幹線側へと移動しています。
路面電車側からは旧駅舎をとおり抜ける形で新駅舎へと連絡。電光掲示板もまだ残っていますが消えています。
工事の柵のスキマから旧ホームをのぞく。
ここから「リレーつばめ」に乗って鹿児島に向かったなぁ・・・。しみじみ。
新しく出来た商業施設、ちくわサラダの発祥である「おべんとうのヒライ」があるじゃないですかー!!
もちろん、ちくわサラダも売ってます。観光地価格ではなく惣菜屋価格なので税込150円とお値打ち
軽食がてらちくわサラダも購入したし、これから新幹線に乗ります。
短い時間になりましたが、これにて熊本観光は終了でございます。
久しぶりの800系つばめ。何年ぶりだろう?
それでは博多に向かって移動します。
□次回に続きます。