県境越えての綱引き大会。「峠の国盗り綱引き合戦」の兵越峠を越えて海へ
□この記事は『サカイ引越センターのCMロケも行われた旧木沢小学校へ』の続きの記事です
兵越峠、国道152号線の不通区間「青崩峠」の迂回路として存在する林道上に存在する峠
長野県と静岡県の県境でもあるそこでは、毎年10月に「峠の国盗り綱引き合戦」なる催しが行われる。
静岡県側のチームを「遠州軍」、長野県側のチームを「信州軍」として、3本勝負の綱引きを行う
合戦にて勝った軍は国境を移動し、領土を1メートル拡大できる。ざっとこんなルール
訪問した2012年9月の時点での「国境」は遠州軍が1メートル領土を拡大している状況
信州軍はこのまま6万5千連勝して海を手に入れることが出来る
しかし、遠州軍が約9万連勝すると、信州軍は遠州軍に諏訪湖を奪われてしまうことに!
いや、どんな冗談だよ!という合戦も2012年10月の合戦で26回を迎える恒例行事
そんな兵越峠を抜けて、旅の最後は海を目指しました。
木沢小学校を出て再び国道152号線を南へ。道路を進むにつれ道幅の狭くなる道路
そう、国道152号線は酷道として道路好きの方々には有名な道路。狭い道路なんて当たり前さ!
ちなみに、本当は天竜川の川下りとか昼神温泉とか寄って帰ろうかと計画してたのですが
メンバーとの話し合いの結果「兵越峠通って海へ行こう」という案に変更となりました。この酷道好きめ・・・
国道152号線、和田地区と呼ばれる場所にある福島屋商店
こちらも「わんおふ-oneoff-」のオープニングに登場する場所なので立ち寄ってみました
和田地区を抜けて再び国道152号線を南下
道路の狭さより、対向車が怖い酷道。浜松方面への最短アクセス道路という事で、通行量はそこそこあるのです。
国道上に何度か立っていた標識。
整備が進めば静岡と長野のアクセスが容易になるし、この地方の観光も賑わうのですが、果たしてどうなる?
そして国道152号線と兵越峠へと続く林道への分岐点
国道152号線はこの先「青崩峠」という場所に繋がっているのですが、不通区間であり峠の反対へ抜けられません
なのでこの区間だけは国道を外れ、林道と兵越峠を使って峠越えをしなければなりません
林道へと入り、峠へと向けてぐんぐん山を登ります。
国道ではないためか、アスファルトやガードレールの状態もあまりよくないです
カーナビもこの道路は全力で回避します。そりゃそうですよね・・・
車で林道を登ること約15分。ナビ上に兵越峠の文字が見えてきました!
狭い林道、道路上で車を停めようものなら邪魔どころの騒ぎではない
ちょうど兵越峠の近くに広場があったので、そこに車を入れて停車しました
はて、峠とはいえ展望台とは無縁っぽいこの兵越峠に駐車場と広場とな?
そう、ここが峠の国盗り綱引き合戦の地、国盗り公園だったのです!
記事の冒頭で説明しました10月の綱引き合戦、ここでやっていたのか。
現在は合併して飯田市と浜松市になっていますが、商工会の文字は合併前のもの。
観客席だと思われるベンチがいくつか配備
幕か何かをセットするだろう鉄の骨組みも残っていました
ここで毎年綱引き合戦を行っているのは間違いなさそうですね。
<関連YouTube>
□峠の国盗り綱引き合戦[静岡県浜松市天竜区兵越峠]
そこから歩いてすぐの場所に県境がありました
この県境を越えると静岡県浜松市天竜区。こんな山奥の県境の向こうが政令指定都市だ!
そして「国境」を示す立て札が置いてあります
2012年9月現在「国境」は本来の国境(中央の道路標識のところ)より静岡県側に1メートルの場所に立ってました
つまり、遠州軍は領土を奪われ、信州軍の方が領土を1メートル広げている状態ですね。
との事。綱引き合戦で領土が広がるとはいえ、実際の行政区分が変わるわけではありません
しかしこの国境、県境部分でこれだけ道路側面の造りが違うとは・・・
さて、峠の国盗り綱引き合戦の盛り上がりっぷりを想像しつつ、進路を先へ
国境の峠を越えればここは静岡県浜松市。あとはひたすら下り道だ
しかし道路の狭さは相変わらず・・・
そろそろ林道も終盤に差し掛かった所で、国道の数字部分が塗りつぶされた謎の道路標識が!
そして突然現れる謎の高規格道路!
50キロポスト?
草木ランプ橋
ランプ?え?
そう、ここは三遠南信自動車道として建設された草木トンネルなのです!
飯田から遠山を経て浜松へと至る道路の一部として、矢筈トンネル同様に先行開通した道路
林道を走ってたらいきなり高規格な道路に化けるとか驚きですよね。
ちなみに国道の数字が消されている理由なのですが・・・
三遠南信自動車道としてこの区間(トンネル)を先に開通させたのですが
後の調査により三遠南信自動車道のルート変更を余儀なくされ、このトンネルがルートから除外された。というお話
かつては自動車専用道路だったそうですが、現在では車幅を狭くして歩道が設置され一般道へと格下げ
ここだけ取り残されてしまう事になったトンネル。この前後がこれ以上拡張される事は無さそうですね。
草木トンネルを抜けると本線は無くなり、インターっぽい側道へと繋がります
本来このまま浜松方面へ繋がるために作ったこの橋脚
これも使われずに朽ち果てるんですね・・・。
ここで国道152号線に再び合流。いきなり車幅がくそ狭くなるのはご愛敬。
あとは浜松に向けてひたすら国道152号線を南下するのみ
(ここも浜松市なんですけどね。正確には浜松市街地)
休憩のため立ち寄った道の駅のすぐ近くに変な橋が。あれは・・・?
「夢の架け橋」という名の橋。どうやら道の駅の裏手から渡れるみたいです
夢の架け橋は天竜川に架けられた橋
長い橋を向こう側まで渡ってみると・・・
特に何かがある訳でも無く。遊歩道がずーっと続いてみるのみ
このボロっとした謎の「夢の架け橋」
実は未成線である「国鉄佐久間線」として建設された橋の橋脚を再利用したものだという
確かに橋脚部分だけを見てみれば、今の上の橋とはミスマッチだ
観光資源化するために橋脚を再利用したみたいですが、橋を渡った所で何も無いとなると。うーん・・・
道の駅を挟んで夢の橋の反対側。橋脚と高架による佐久間線の遺産があるではないですか!
この形は間違いなく鉄道トンネル。どうやらワイン保管庫として再利用されているそうです
友人がワインを買うついでに内部の撮影をさせて頂きました
このトンネルは反対側まで貫通している訳では無く、1キロ程度の長さだそうです
年間通してひんやり冷えた天然の冷蔵庫。こうしてワインの保管庫として佐久間線が残っているとは
さ、未成線の出会いもそこそこに再び国道152号線を南下。新東名の案内も見えてきて市街地が近づいてきました
浜松駅前のあの高層ビルを横目に、国道152号線を外れ進路を海へ
そして・・・
海までやって来たー!
しらびそ高原がら遠州灘の海へ。その標高差は約1,900メートル
いやぁ、まさかこんな移動をするとは思いませんでした。
陽が沈む前に到着して良かった。サンセット!
ちなみにここは、浜松市にある「中田島砂丘」という場所。
「わんおふ」の2話でも海へと向かっていましたが、それとはちょっと違う場所ですけど。ゴールにするには良いかなと
遠州灘の荒波と夕陽を堪能した所で駐車場へと帰りましょう。
この後に餃子を食べて、関西組を浜松駅へと送った部分は省略・・・。
そんな感じで「わんおふ」にちなんで観光した1泊2日でした
三遠南信地方、地元の観光ガイドなどを見ているとまだまだ魅力的なスポットはいっぱい
また違う機会や違う季節に足を運びたいですね。
<一緒に行った人(敬称略)>
・おみ/KRTF
・たつゆき/回送列車 -out of service-