近代化産業遺産探訪、美唄市の「炭鉱メモリアル森林公園」で旧三菱美唄炭鉱施設を見る

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北海道といえばその魅力は様々ですが、個人的に好きなのは炭鉱などの近代化産業遺産。

急遽訪れる事となった北海道で、まだ未踏の地を探して思いついたのが石炭の街「美唄」
レンタカーもある事だし、まだ春が訪れる途中の美唄へ足を運んだ様子をさらっと紹介。

このページはこちらの記事の続きです。

苗穂工場内にある、ちょっとした資料館。毎月第2第4土曜日に限り公開しています。 コロナの影響が続いている関係で、ANAの特典航空券が割安で利用出来る「トクたびマイル」がかなり安く設定されついには中部-千歳便は片道3,000マイルで利用出来ると来たら、そりゃ乗るしか無いっしょ。 で、行くのはいいけ

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2021年4月11日()。おはようございます。
4月ですが、札幌の朝の気温は3℃。暦の上ではもう春かと思わせつつ、やはり北海道はまだまだ寒い。

向かう先はタイトルにも書いてあるとおり美唄市ですが、車もある事だし色々と寄り道して向かいます。

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で、残雪のなかポツンと残っているこの駅舎は、写真の文字のとおり石狩金沢駅の駅舎。

緩急車改造を駅舎は、2020年に廃線となった札沼線の駅である。
まだ廃止されて日も浅い為か、駅舎は撤去される事なくそのまま残って居た。なお残雪で近付く事が出来ず。

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札沼線は一部の駅舎が残っていたものの、通行の障害となる踏切は遮断棒とレールが撤去されていた。

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ナビにはまだ廃線区間がそのまま残っていたので、かつて駅が存在していた場所を探すのは容易だ。

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全ての駅舎を見て回るつもりは無いものの、通行する国道沿いに駅があったのでつい寄ってしまう。
石狩金沢駅の隣駅となるこちらは、同じく緩急車改造の本中小屋駅である。

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残雪が固く雪上を歩けそうだったので駅舎に近付いてみたものの、駅舎は南京錠で施錠されていました。
うーん、やはりそうですよね。

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さて、札沼線の寄り道はこのくらいにして美唄を目指しましょう。
今日は晴れて良かった。ほんのり雪が残る山々が美しいなぁ。

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月形町内の国道を走っていると、やたら目立つ看板がロードサイドに並んでいた。
やきとり祭りでもやっているのか?アピールが激しいので看板の矢印に誘われてホイホイと向かってしまった。

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到着したのはやきとり祭り・・・という訳では無く、やきとり屋台が営業していた。
よく分からないけど「ジャンボやきとり」ってのがここ月形の名物なのだろうか?

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せっかく看板に惑わされて訪れたので、ジャンボやきとりをひとつ購入しました。
炭火で焼きたて。ホテルで朝メシは食べたけど、この匂いで食欲が沸いてきたぞ!!

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ジャンボやきとり、というよりはロングやきとりって感じでしたね。
味わい的な特徴は特に感じなかったものの、天気も良いし朝からお祭り気分で食事が出来るのは嬉しい。

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屋台で音楽を流してたのだが、その再生方法がアナログ的で思わず笑ってしまった・・・。

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うーん、良い天気。

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さて、石狩川を渡って美唄市へやって来ました。
まず訪れたのは美唄市郷土資料館です。観光で悩んだらその土地の博物館とか行っとけってね。

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石炭および炭鉱、それを輸送する為の鉄道。そして道外へ流通させる拠点となった港
それらの産業遺産を「炭鉄港」として紹介する活動をしているらしい。この資料館もそのひとつです。

こういうご時世なので、「どこから来たのか」というのを窓口で問われるのですが、
愛知県から訪れた事を伝えると、たいそう驚かれた。遠方の人はなかなか来ないよね。

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美唄市郷土資料館は歴史を追って紹介されています。まずは北海道の自然に始まり・・・

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開拓民が入植し

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囚人による道路建設

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屯田兵と続き・・・

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やがて日本の近代化を支えた石炭の時代へと紹介されている。
美唄には三菱美唄炭鉱と三井美唄炭鉱のふたつの炭鉱があり、専用鉄道も敷設され美唄は大きく賑わった。

最盛期には9万人以上あった人口も炭鉱の閉山と共に減少し、現在に至る。

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やはり炭鉱系の展示が充実しているというか、一番多くのスペースを使って当時の雰囲気や道具などを紹介しています。

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このあたりは全国の炭鉱系資料館と似たような展示内容だったので、詳しい説明は割愛。

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そして工業団地などの開発が進む現代の美唄の産業を紹介して常設展示は終わる。
じっくり観て軽く1時間は経過してしまった。資料館ってのは展示内容が濃厚だなぁ。

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ちょうど企画展として美唄鉄道に関する展示が行われていた。

美唄鉄道というのは、石炭輸送の為に国鉄美唄駅から分岐して敷設された鉄道路線であるが
石炭輸送のほか、炭鉱従事者向けの住宅街から市街地へ移動するための旅客輸送も行っていた鉄道である。

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展示されていたのは美唄鉄道で使われていた物品や写真のパネル展示など。

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感想は付箋紙に書くように案内されてたのですが、
その付箋紙を展示品のすぐ脇に線路を模した模様の所に貼るって方式が斬新だったなぁ。

展示とコメントが一度に見られるのは面白い。

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さて、美唄には少なくはなってしまいましたが、実際に使われていた石炭に関する遺産が残されています。
次はその美唄の炭鉱遺産を見学に行きましょうか。

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まず訪れたのが、美唄鉄道東明駅舎

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駅舎は保存会によって管理されているようで保存状態は割と良いように見える。
しかし細かい所に歪みがあるなど、北海道にある限り雪害からは逃れられないな。

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駅舎は施錠されており、サイクリングターミナルと書かれたこの建物も施錠。
訪問したのは4月であるが、このあたりの施設はまだ営業を始めていなかったようだ。

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サイクリングロードとなった廃線跡と駅ホームは残雪によって埋まっている。
保存されている当時の機関車もブルーシートで覆われており、その姿を見ることが出来ない。

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続いて炭鉱のあった山の方、東美唄エリアに向かい、途中の「我路ファミリー公園」へ立ち寄る。
公園という案内になっているが、こちらも残雪で入る事が出来ない。

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ここには「三菱美唄記念館」という、美唄炭鉱に関する資料館があったのですが、
公園が一切除雪されてないし、この施設も人の居る気配が無いのでもしや・・・。

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アチャー、やっぱり開館してなかった!

4月だからもう営業してるんじゃないかと思ってたけど油断してた。冬期休館が5月に解除される施設もあるのか・・・。

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公園にあった「炭鉱の碑」

今ではこの東美唄のエリアでは殆ど人や車と行き違う事が無かった場所だが、
かつてここに炭鉱があり、人々の営みがあった記憶・思いを残すために作られた彫刻だそうです。

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東美唄の奥地、実際に三菱美唄炭鉱があった場所までやって来ました。

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炭鉱跡は整備され「炭鉱メモリアル森林公園」と姿と変えました
車を駐車場に置いて・・・と思ったら駐車場は物理的に入れなかった。

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4月になりましたが、北海道ではまだ残雪の景色。

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「炭鉱メモリアル森林公園」はかつて三菱美唄炭鉱があった場所ですが、
関連設備としては朱色の「三菱美唄炭鉱竪坑巻揚櫓」と一部施設だけが残っています。

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その竪坑巻揚櫓を見に来たのですが、公園にはまだ入れず道路上から見られるのみ。
用水路へとダバダバと流れる雪解け水が、北海道に春の訪れを演じます。

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この櫓も近くで見たかったけど、まだ雪解け前だったのは予定外だったなぁ。
それでも、雪の白と青い空。そこに映える朱色の櫓を見られたのもまたフォトジェニックで良かったかなと。

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という感じで美唄の炭鉱跡めぐりでした。
雪解け前であまり多くのスポットを巡ることは出来ませんでしたが、これはこれで良かったかなと思います。

美唄市郷土資料館が充実してたし、割と満足です。

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携帯の電波が届かないと不安になるのが現代人。
何処でも繋がると思うな携帯電話。さて空港方面へと戻りましょうかね。

<次回に続きます>

はい、タイトルそのままです。 美唄市で炭鉱跡を見た後は、同じく炭鉱関連で栄えた岩見沢市に寄り道して、それから安平町を経由して新千歳空港へと向かおうと思います。
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