消えゆくアーチ橋、旧国鉄士幌線「タウシュベツ川橋梁」の見学ツアーに参加した。

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タウシュベツ川橋梁をご存じだろうか?

十勝地方にかつて存在した国鉄士幌線上に存在した鉄道アーチ橋。
ダム開発によりその橋はダム湖の底に沈んでしまったのだが、水位の少ない季節はその姿を現すという。

北海道という厳しい自然環境のなか、通常の何倍ものスピードで劣化しているアーチ橋。
いつその姿が崩壊するかも分からない、そんなタウシュベツ川橋梁の見学ツアーに参加したお話。

このページはこちらの記事の続きです。

旅行代金は1人あたり30,000円です。(実際は2名1室60,000円) と軽いタイトル詐欺をしたところで本題です。 皆さんご存じのGOTOトラベル案件。「高いツアー料金からの割引だから安くないでしょ」などと考えていたのですが、 実際に旅行会社のサイトを見てみたら、あれ今週末の北海道がひとり30

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2020年8月30日()。おはようございます。午前5時に起床である。
この日は北海道全域で雨模様。そして8月だというのに気温は9.6℃とお天気アプリが伝えている。

いや、マジくっそ寒いんですけど!!

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防寒着を身にまとい傘を差して集合場所へ向かう。
どしゃ降りとまではいかないが、傘を差しても脇から濡れる、その程度お雨降りだ。

雨降り承知で北海道へ来ているが、まさかこんなに雨が降るとは思ってなかったな・・・。

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参加するのはタウシュベツ川橋梁の「早朝」見学ツアー。集合時間は午前5時30分である。

他にも午前と午後にツアーがあるのですが、行こうと決めたのが直前のため早朝のみが空いていました。
糠平温泉に宿泊したのも、この早朝ツアーに参加するため。というか立地的にここに宿泊しないとしんどい。

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東大雪自然ガイドセンターにて受付と参加料金(3,700円)を支払う。
長靴と雨ガッパ、傘は指定の物を貸し出してくれます。

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装備完了。

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タウシュベツ川橋梁が有名になったのは、このJRのポスターで採用された事が由来とガイドさんの説明。
廃線となり月日が流れてから有名になる。こんな橋が他にあるだろうか?

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大雪山系の自然がいっぱい。動物のぬいぐるみもいっぱい置いてありますね。

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ってガルパンじゃねーか!!

この写真撮ってたら「あ、ガルパンですか?」とガイドさん。
このタウシュベツ川橋梁は「劇場版ガールズ&パンツァー」に登場するアーチ橋とてもよく似ているという事で、
それ由来で訪れる人も多いという。劇場版公開直後はとても多くのガルパンファンが訪れたらしい。

で、ここにあるDVDはファンから寄贈されたもので、ガイドさんも視聴して研究したそうだ。

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参加者の受付と準備が終わり、ガイドさんより簡単な説明のうち出発する。

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本日の参加者は8名。2名のガイドさんが運転する車に分散乗車して、タウシュベツ川橋梁を目指します。

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「はい、ここのトンネルを抜けますともう圏外です。」

糠平温泉を出てすぐにガイドさんの説明。スマートフォンを確認すると、確かに圏外だ。
途中の国道は人が住んでいる場所でもないし、携帯はどこでも繋がるわけがない、という事を改めて認識した。

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タウシュベツ川橋梁に続く林道のゲートに到着。ここは施錠されているため勝手に入る事は出来ません。

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ツアー以外でも平日限定で管理事務所へ行けばゲートの鍵を貸してくれるのだが、
「管理事務所は山の麓にあるし、ここに問い合わせ先の電話番号書いてあるけど携帯は圏外です(笑)」

と冗談交じりで教えてくれた。この橋の存在を事前に知って計画しないと難しそうですね。

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林道の途中に見える何でも無さそうな場所、ここが士幌線の廃線跡だという。

なるほど、言われるとそう見えなくも無いが、言われないと分からないぞ!
やっぱりガイドツアーというのは重要っすね。

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見学ポイントに到着。

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ヒィ!ヒグマ出没だって!?

ここは北海道、確かにクマは出没するそうですが、
ガイドさん曰く「長いことガイドしてますが、見かけたのは5回くらい。車移動の時なので徒歩でバッタリは無いです」との事。

頼もしいけども、でも出る時は出るんだよね・・・。

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さて、気を取り直してガイドさんに続いてツアー参加者は移動します。

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まずはダム湖である糠平湖の湖底へ

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無数に並ぶ切株は、ダムを建設する際に伐採した木の根である。
年の半分くらいは湖底へと沈むため、成長もせず劣化もせず、そのままの状態で残っているそうだ。

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例年では8月下旬は既にタウシュベツ川橋梁が沈むくらいの水量があるそうですが、
今年は夏場の降水量が少なく、ダム湖では湖底を歩けるくらいの水量しかない。

今回は旅費が格安だったり、目当てのツアーも空いてて水量も少なく良い条件が揃いました。
まぁ天気だけは悪いですけど・・・。

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所々で水の流れがあるので、気をつけて歩かないといけない。
油断しているとぬかるみに足を取られて動けなくなるぞ!

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さっきからチラチラと見えていたが、お目当てのタウシュベツ川橋梁の姿が見えてきた。

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ここで改めて時刻を確認してみよう。午前6時だ。
6時だけどもテンション上がってきたぞー!

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時に幅の広い流れを進み、参加者一同はタウシュベツ川橋梁に向かう

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遠くからでも目立つそのアーチ橋。近付けばよりその大きさを実感する事になる。
ここまで来たら30分ほど自由行動。参加者は各自好きなように周辺を散策して良いそうだ。

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1956年にダムが完成し、ダム湖へと沈んだタウシュベツ川橋梁。
水に浸かるだけではなく、冬場の凍結による圧縮、膨張によりその姿は既にボロボロである。

水の影響だけならまだ何年か耐えられるだろうが、大規模の地震が起きれば倒壊は避けられないという。

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川幅がとても狭くなっているが、これがタウシュベツ川橋梁の姿となる。

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鉄筋は丸見えで、中身に使っていた石も丸見えの状態。

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他の参加者と比較すると、タウシュベツ川橋梁がいかに大きな橋かが伝わりやすい。

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橋上に線路なんかは既に無く、危険のため立入禁止の柵がしてある。

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かつて、ここに鉄道が通っていた姿はどんなだっただろうか?

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アーチ橋の真下は危険なので通り抜け禁止。ぐるっと迂回して上流側に来てみました。

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全景が見える所まで下がる。

天気が良ければ大雪山系を背景にタウシュベツ川橋梁の姿を見る事が出来るが、残念ながらの曇天。

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そんな感じで、あっという間の30分の自由散策時間でした。

このタウシュベツ川橋梁、自治体で観光資源として保存する事も検討はしたのですが、
自治体にそのコストを負担する程の財政力が無いなどの理由で断念したという。

ボロボロで消えゆくという姿が人気や話題であるため、崩落の日が来たらその時はその時だそうです。

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車までは廃線跡を歩いて戻ります。
ここだけ木が無く奥まで抜けているあたり、なんとなく廃線跡のような雰囲気が感じ取れる。

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どちらかといえば短い散策ツアーでしたが、貴重なものを間近で見る事が出来たのはよかった。
わざわざ雨降りのなか十勝地方まで足を運んだ甲斐がありましたね。

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林道を帰る途中でひょっこり現われたシカの姿。北海道ですな・・・。

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東大雪自然ガイドセンターへ戻り、靴を履き替えるなど。

冬場は糠平湖が凍結している関係で湖面を歩けば辿り着けるとと聞いて「おお、行ってみるか?」と思いましたが
当然、除雪なんかされてない湖面なのでスノーハイクの格好で行かないとアカンし敷居が高かった。

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ここ10年くらいの新聞の切り抜きが並ぶ。どれも「今年で見納め?」的な文字が並ぶ。
いや、確かに見納めの日が近いのは間違いない。

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宿へ戻って朝食を頂く。早朝で運動した後なので、お腹空いたー!!

そんな感じで、タウシュベツ川橋梁とぬかびら温泉宿泊の話題でした。

<次回に続きます>

はい、タイトルそのままです。 メインの見所は前回の「タウシュベツ川橋梁」なのですが、その後に千歳に帰るまでの話題をぱぱーっと紹介したいと思います。はい。
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