今でも乗れる蒸気機関車。大井川鐵道の汽車ポッポで行く寸又峡温泉の旅
「たまには温泉旅館でも泊まってのんびりしようぜ」
そんなメールが友人から届いた。聞けば行き先は寸又峡温泉だという
寸又峡温泉といえば、公共交通機関だと大井川鐵道に乗って行く温泉地ではないですか。
・・・と、そんな前置きはさておき。新年早々に温泉地へと足を運んだので今回はその話題。
という訳で、名古屋から東海道線を乗り継いで静岡県島田市の金谷駅へとやってきました
タイトルにもありますが、今回の目的は大井川鐵道。金谷駅で乗換える事をご存じの方も多いはず
JRの金谷駅のすぐ隣に大井川鐵道の金谷駅はアリ
駅舎は小さく、窓口と売店と最小限の設備だけを備えていると言ってもいいほど小さな駅舎
季節と日によっては例外もありますが、ほとんど毎日のように蒸気機関車を走らせる大井川鐵道
冬は閑散期らしく訪問したこの日は1往復のみの運転でしたが、発車時間にあわせて訪れた人で狭い駅舎が埋る
今回は蒸気機関車に乗って、その先の寸又峡温泉に泊まるという1泊2日のプラン
大井川鐵道全線と寸又峡温泉へのバスの全線が2日間乗れるフリーきっぷが5,000円。今回のプランに丁度良い
2013年の1月からスタートする鉄道むすめスタンプラリーの告知もありました
訪問した日はまだスタート前でしたが既に告知もスタンプ台紙も配布されているという。
ぐぬぬ・・・また大井川鐵道に足を運ばなくては。
それではまず、どこかで見たことあるカラーリングのこの電車に乗ります
そう、近鉄特急ですね。
これは近鉄から大井川鐵道へやって来て、外見そのままで今日も大井川鐵道を走ります
車内はボックス席みたいに向かい合わせの状態になってました。
デッキとの仕切りが取り外されていますが雰囲気は元特急列車。これが普通列車で使われていると変な感じ
説明が抜けてましたが、蒸気機関車が走るのはJRとの接続駅の金谷駅ではなく、隣の新金谷駅から出発します
金谷駅より新金谷駅の方が駅としての設備も大きく、ここが大井川鐵道の中心と言っても良いでしょう
あ、京阪電車が居る。蒸気機関車以外にも見どころは多そうだ
フリーきっぷなので汽車の発車時間まで改札を出て時間つぶし
新金谷駅の目の前にはツアー客向けの待機所兼土産物屋があり、何やら賑わっていたので寄ってみる
ちょうど汽車へ乗る人向けの駅弁を販売していたので購入。鉄道旅といえば駅弁ですね!
繁忙期にもなると1日3往復も運転される大井川鐵道の蒸気機関車。でも今日は1往復のみ
けれどもツアー客の乗車も重なってか、客車を7両も連結する案内を見て驚く。人気ですね
売店で色々と見ているうちに、駅ホームに蒸気機関車がやって来たみたいです
駅に戻って汽車に乗り込みましょうか
わぁ、本当に蒸気機関車だ。ちゃんと動いてる!
SL急行券に書かれた座席を確認して客車へ・・・と思ったら、やけに古そうな車両なんですが。
ドアは手動だった(走行中でも開きます)
そしてご覧の客車である
お、おう・・・。
この客車をどう表現すれば良いか。
「古い」でも「レトロ」でも「ボロい」でもない。「よくこれを動かしてるな」と、驚くどころか関心してしまう。
どうやら二等客車らしいっすよ。
客車の窓もほら、こんなに開いちゃう!
現代の車両にはあり得ないものが、ここ大井川鐵道にある!
ちなみに7両編成の客車はそれぞれが異なり、ある客車はこんな感じでした
こっちはもうちょっと時代が新しくなったって感じですね。地方に残る国鉄車両とかこんな座席ですし
そして最後尾には電気機関車が
・・・・これは見ては駄目だったかな?
先頭車両のアレは飾り?いえいえ、この子は縁の下の力持ち。補助をしているだけです。補助をね
そんな感じで大井川鐵道の蒸気機関車は新金谷駅を出発
当日にSL急行券を購入した我々は最後尾の1号車に配置されました
団体客が固まる先頭寄りの客車とは異なり、こちらは人数も少なくまったりムードで旅を楽しめそうだ
うへー!ゲホゲホ!
トンネルに入ると窓が開いている訳でも無いのに、どこからともなく車内に入り込む煙
ここまで忠実に再現しなくても・・・。いや、昔はこれが当たり前だったんですよね。この現象も貴重な経験。ゲホゲホ
ただえさえ暗い客車の蛍光灯が切れており、トンネル内は更に暗い客車となりました
何だこれは・・・
石炭の煙の残り香がしますが、ここらで沿線のお茶畑を見つつお弁当にしましょう
この汽車と沿線の情景をイメージしたと思われる、昔ながらのお弁当
ガタガタ揺れる古めかしいこの客車で食べるのは最高のシチュエーションかもしれない。
弁当を食べ終わって早々、なんかどっかで見たことある機材が見えるのですが
あの「M」のロゴ。名鉄で使ってた保線用の機材じゃないですか!
なんか急に現代へ戻った気が・・・(大井川鐵道は名鉄グループ)
途中の停車駅で先頭を撮影する乗客たち。閑散期とはいえ人気である
再びガタガタと揺れる客車でお茶畑を見るひとときを過ごす
列車は千頭へと向けてひた走ります
突如現る裸の男たち!こちらへ向けて手を振っています
「SLが見える露天風呂」として宣伝している日帰り温泉入浴施設のお客さんのようです
裸の男たち以外にも、沿線でこの汽車を見かけては手を振る人が多いこと
何だか嬉しくなっちゃって、つい私も窓から手を振り返しちゃいます
車掌が車内をまわり、この列車と客車について説明。そしてハーモニカ演奏によるパフォーマンス!
列車がカーブを通過する時にチラリと見える先頭の機関車がたまらない
っと、楽しい時間はあっという間。新金谷より約1時間20分で、終点の千頭駅へと到着しました。
古い客車に駅弁。沿線の情景や手を振ってくれる人々など、思った以上に楽しい汽車の旅でした。
今夜宿泊予定の寸又峡温泉は千頭駅より路線バスに乗って移動します。
・・・しかし、そこには現実が待っていた
お前は名鉄バスじゃねーか!