国鉄中央西線廃線跡トンネル「愛岐トンネル群」特別公開日へ行ってきた

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鉄道路線の廃線跡が保存されている、なんて事例は全国でもいくつかあるのではないかと思います

ここ中央西線の愛知県の岐阜県の県境。駅で言うと定光寺駅と多治見駅の間もその「いくつか」のひとつ
かつて国鉄時代に使われていた県境のトンネル「愛岐トンネル群」が年に2回程のペースで一般公開されています

11月の下旬ともなれば紅葉が楽しめるかも、という期待を胸に2011年秋の一般公開日へと足を運びました

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という訳で、名古屋駅から中央線に乗って定光寺駅で下車。普段は通過するばかりのこの駅に降りる機会が来るとは

一見、マイナーなイベントと思わせながらも狭いホームには電車からごっそり降りた乗客で混雑します。
2008年の最初の公開では1日280人の訪問者でしたが、2011年春の休日で1日約2,500人の訪問があったそうです
(愛岐トンネル保存再生委員会のWEBサイトより)

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ちなみに駅員は臨時で配置されていましたが、普段は無人駅な定光寺駅
ICカード(TOICA)の利用はこの簡易リーダーを使います。

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公開されるエリアは片道1.7kmほど。往復すると2-3時間らしいので、結構な距離なんですね

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天気も良さそうだし、紅葉を楽しむには良い感じ・・・?
でも、今年の紅葉は例年より遅く、見たところの色付きは「まだまだ」って感じですね

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受付で見学料の100円を支払う。「保険他含む」と書いてありますが、委員会の活動資金でもあるようです

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愛岐トンネル群の概要を配ってたパンフレットを引用して簡単に説明。

現在の中央西線の愛知県/岐阜県の県境は殆どがトンネルによって構成されています
これは国鉄時代、複線電化の際に新しく建設され切り替えられたトンネルです。

で、今回訪問するのは電化前に使用していた旧線のトンネル。
資料から分かるように14個のトンネルで構成されています。でも公開されているのは3号トンネルから6号トンネルのみ

「何だ、通り抜け出来ないんじゃん」というのには訳があります。それはのちほど・・・

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公開エリアの各所にはこのように委員会による解説の看板が設置されているので
特に知識が無く訪れても、これを見れば分かるようになってます。これは有り難い

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受付をしてすぐに現れるのは3号トンネル。全長76m

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トンネル内には「ろうそく」による簡易的な照明がありますが、基本的に暗いです
持参した懐中電灯を手にトンネル内を進みます・・・

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トンネル内は「ひんやり」してました。夏場に来ると涼しそうですね

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廃線から半世紀ほど経過したトンネル。赤レンガ造りで見た目も良いですね
かつて線路だったところには木がニョキっと生えている。これだけ木が成長するほど前に廃止されたのか

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トンネル内や廃線跡で見つかったものが展示されています

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こんなものまで・・・

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トンネルとトンネルの間も人が歩ける程度には整備されています
けれどもここは廃線跡。足元にはゴツゴツとした砕石がちらばっており、非常に歩きづらいのであった!

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続いて4号トンネル。全長75m

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4号トンネルを抜けた先には謎のオブジェが
「あれ何に見えます?」『交尾』とかいう会話で盛り上がりました(最低)

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時折見えるのは土岐川(庄内川)。旧線はこの川沿いに線路が延びています

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委員会よって作られた水車。
回転で得られる動力を何かに使われている事は無さそうで、単に観賞用?

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5号トンネル。全長99m

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鉄道トンネルという事もあって、トンネル内には待避スペースもありました
あまりに暗いので本体のストロボを使用。

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3号トンネルから5号トンネルまでは100m未満なので、入口の時点で出口トンネルの明かりが見えますが

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こちらは公開エリア最後の6号トンネル。全長333m
トンネル内でカーブしている事もあって、出口の明かりが見えないし暗そうだ・・・

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ストロボを使用してますが、強力な懐中電灯が無いと暗くて前も見えない状態の6号トンネル
真っ暗闇のトンネル。しかも足元の砕石で歩きづらいと来たもんだ。大変ながらも、これは楽しいぞ?

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6号トンネルを通り抜けました。こちらはトンネル出口(岐阜県)側の写真です

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さて、トンネルを抜けた所で公開エリアは終了。「行き止まり」の看板が行く手を阻みます
この先は岐阜県なのに。岐阜県まで、あと少しの所で行き止まりなんで

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行き止まりの理由がこれ。県境の川の橋がないんです!

・・・こればっかりは仕方がありませんね。
県境の橋を架けるとなると、かなりの費用と両県に跨がる理解と協力が必要ですからね。

この県境を越えると、愛岐トンネル群最長の7号トンネル(全長607m)がすぐ目の前にあるとか
委員会では、県境を超えて更に先のトンネルが公開出来るよう活動を続けているそうです

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来た道を定光寺駅に向けて戻ります。
ここまで結構距離があったので、帰るのはちょっと辛いですね

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そんなこんなで、愛岐トンネル群特別公開日でした
次回の公開は来年の春?名古屋からもほど近い定光寺へ、次回の公開日に足を運んではいかがでしょうか。

<関連リンク>
NPO法人愛岐トンネル群保存再生委員会

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