坑道だけが遺産じゃない!日本の近代化を支えた「佐渡鉱山関連遺産」をめぐる

□この記事は『近代化産業遺産「佐渡金山」を観光する』の続きの記事です

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引き続き佐渡金山に関わる産業遺産巡りです。

表題のとおり佐渡の産業遺産は坑道だけではなく、精錬施設等も残っています。
今回は坑道を抜けてから色々と見て回ったお話です。

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ふたつの坑道を見て所用時間1時間ちょっと。
日が長くなったとはいえ時間には限りがあります。次の施設を見に行きましょう

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坑道から山をくだり、やって来たのは「佐渡奉行所」。
奉行所というと当時の政治や司法の役割をもった機関ですが、この佐渡奉行所は金山経営の管轄も行っていたそうです。

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佐渡奉行所は江戸時代のはじめ、1603年に建てられました。
現在でも割と立派な建物が残っていますが、5回も焼失しており2000年に完成した復元モノ

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中身はそれっぽいお屋敷(雑な説明

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奉行所っぽい雰囲気を感じられる場所。

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復元された屋敷をうろうろと見て回っていたら、スタッフの方に捕まりあれよあれよと案内される
その案内先には、何やら薄汚れた塊が置いてある。重さ約41kgの鉛の塊

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この鉛、佐渡奉行跡の発掘調査にて出土したものらしい。

金山と鉛にどう関係が?と思う方も多いかと思いますが
山から掘り出した岩から金を精錬する際に、灰吹きという行程で鉛が使われるのだ。
で、この出土した鉛板は江戸時代に使われていたものだという。そんあものが地中に残っていたのか

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奉行所では小判製造工場を併設しており、それを復元した建物もありました

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中身は当時・・・ではなく、実際に岩を砕いて砂金を取り出す体験型学習コーナーになってました。

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他にも発掘調査時の出土品が展示されていたりしたのですが
実は閉館時間が迫っており、じっくり見る事が出来なかった・・・!

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この佐渡奉行所跡、施設の復元は一部のみでそれ以外は更地として残るのみ。
発掘調査をするにも施設を復元するにもお金がかかる。そのあたりの財政状況を垣間見た気がする

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閉館。

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時代は変わって、こっちは明治以降かな。
佐渡奉行所の駐車場の眼下に広がる施設群。こちらも佐渡鉱山関連遺産でございます。

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ある程度は近付いて見られるように整備されているので、見に行ってみましょう

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やっぱり近代化産業遺産は最高だぜぇ!

そこに残るは、かつて存在した「北沢浮遊選鉱場」の姿である。
昭和13年(1938年)に完成し、その後の拡張を経て月間5万トンの鉱石のより分け作業を行っていたそうだ。

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コンクリート造りのためその姿はご覧のように残っているものの
やはり野ざらし雨ざらしなので、この先どれだけこの姿を保つ事が出来るだろう?

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隣にあるのは「北沢青化・浮選鉱所」跡
さっきの「北沢浮遊選鉱場」に比べて、ちょっと見た目にインパクトが少ない

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巨大な円形の施設は「50mシックナー」の跡。昭和15年(1940年)に建設
泥状の泥鉱を鉱物と水に分離する装置。

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鋳造工場跡

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明治41年(1908年)に建てられたレンガ造りの火力発電所

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斜めに伸びているのはインクライン跡。

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当時を思わせるトロッコのレールも、広場の一部に残されています

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こちらは別の場所にあったこの地区のかつての写真。北沢浮遊選鉱場

斜面に作られた北沢浮遊選鉱場は屋根が付いており、現在とはちょっと異なる雰囲気
今こそ広々としていますが、当時は狭い場所に関連施設がぎゅっと詰まっていたんだなぁという印象

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・・・っと、そんな感じで佐渡鉱山関連施設を見て回ってたら日が暮れてしまいました。

夕飯は島内の回転寿司屋へ行って佐渡の海の幸を楽しみつつ、って写真撮ってなかった
そういえば佐渡のコンビニ、セーブオンのみが展開しているのだろうか。
(セーブオン:群馬県と新潟県を中心としたコンビニ)

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夜は観光ホテルに宿泊。佐渡という立地のためビジネスホテルが見当たらず
ひとりで使うには勿体ないくらいの部屋だったので、もっと早めにチェックインすれば良かったなぁ

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翌朝。オーシャンビューな部屋であった事に気付く
なお生憎の天気模様であった

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ホテルの朝食バイキングへ足を運ぶ。観光ホテルだけあってなかなかのラインナップ
やっぱり新潟のお米は美味しかったなぁ・・・。という印象でした。

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NHKニュース見てたら交通情報に佐渡汽船の文字。さすが新潟県や・・・

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さて、ホテルは朝食を食べて早々にチェックアウトします。

朝から向かうのは冒頭の奉行所跡から坂を下った先にある「大間港」という場所
案内の看板こそ出ていますが、どうも企業の私有地にしか見えない場所へ入っていくので分かりづらい
(なお写真の駐車場は工場の駐車場)

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その先にあるのが大間港跡。
明治25年(1892年)に完成した港で、かつてここから鉱石の搬出や石炭などの資材の搬入を行っていました。

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海に向かって突き出ているのはローダー橋(の脚)。
かつてこの橋脚には橋が架けられており、そこに付いたクレーンで搬出入を行っていたそうです

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港の規模から察するに、それほど大型船が出入り出来るような構造では無さそうですね
なんせ運び出すのは金ですから。そんなに大きな船は必要なかった?

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別アングルよりトラス橋。橋の部分は錆びて抜け落ちそう。
(もちろん立入禁止のバリケードが張ってあります)

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こちらは何とか元のモノが判断できる程度に形を残した鉱車
「時が止まっている」なんて事はなく、間違いなく時間は流れている

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かつての大間港の写真がパネルで掲載されていました。

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こちらは別アングル。ローダー橋やクレーンの姿も確認できますね。

こうやって、今と昔を比べる事が出来る。貴重な産業遺産ではありますが
現段階の様子を見ていると、この先はどうなるのかが気がかりです。

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説明書きが無かったけど何かに関係しそうな赤レンガ倉庫

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そんなこんなで佐渡鉱山関連遺産めぐりでした。
佐渡には他にも鉱山関連遺産があるのですが、時間の都合もあって今回の探訪はこれだけ。

季節が理由なのかもしれませんが、あまり観光客の姿を見なかったのが残念。
このレポートを通じて、少しでも興味を持って頂けたら良いかなと。

佐渡の観光はもうちょっとだけ続きます。

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