豊川の渡船は船頭さんの人力運行。愛知県豊橋市の「牛川の渡船」に乗りました
ここは一級河川「豊川」(とよがわ)の両岸を結ぶ、愛知県豊橋市にある渡し船。
河口へのバイパスである「豊川放水路」の存在により、水量も川幅も狭い区間ですが
「牛川の渡船」の周辺には現在も橋が無く、地域の住人にとっては重要な交通手段となっています。
10人くらい一度に乗れる大きさの渡船なのですが
見どころは何といっても、船頭の竿さばきによる人力運行の点ではないでしょうか?
そんな牛川の渡船(牛川の渡し)へ行ってきたお話。
という訳で、名鉄電車に乗って豊橋駅へやってきました。
売店で熱くプッシュされているのは準チョコレート菓子の「ブラックサンダー」
「豊橋銘菓」として書かれていますが、これは豊橋市内の工場で生産されている事に由来します
なお、メーカーの有楽製菓は東京の企業なので注意。
駅前電停から「牛川の渡船」の最寄りまで路面電車に乗って移動します。1乗車150円均一
路面電車に揺られることしばらく・・・
前畑電停で下車。ここから豊川方面に向けて歩きます
住宅地をひたすら歩く。
実は電停から徒歩20分ほど掛かるので、あまりアクセスは良くない
あまり歩きたくない人は、豊橋駅前からバスで「豊橋創造大学」へ向かうと良いかも
豊川沿いの道路脇に「牛川渡船」の看板を見つけました。目的の渡船はこの先だ!
運行案内と船頭のイラストが掲げられていました。
基本的に毎日運行していますが、増水や悪天候時は運休するそうです。
あと、運行時間に「昼休み」があるのも注意する必要があるかと。
この先に渡船があるそうですが、本当にあるんだろうか・・・?
船頭のイラスト再び!
矢印を兼ねた渡船がイラストになってて面白い
渡船場っぽい所に到着しました。雰囲気から察するに、ここで間違いなさそう
10人くらい乗れそうな小型船が係留されています。船頭さんの姿が見当たらない
「船よび板」と書かれた板とハンマーが置かれている・・・!
どうやら、これを「コンコン」と叩くことで、奥の詰所で待機している船頭さんに伝わる仕組み
他に乗船する人の姿が居なかったので、自分が板を叩いて船頭さんを呼び出す
なんか、ひとりしか乗らないのに申し訳ない・・・。
金属板を使って渡船に乗り込む。
乗客(私だけ)が乗り込んだ所で、船頭さんは長い竹竿でぐーっと岸を押し込む
すると渡船の船首は左へ変わり、いざ対岸へと向かいます!
冒頭にも書きましたが、これモーター式でも何でもなく100%人力による運行
船頭さんは船首にて右舷、左舷と交互に竿で川底を突いて、器用に渡船を対岸へと運びます
あれ、ワイヤーと滑車で繋がってる!
過去に若手の船頭さんが、渡船を風で流してしまい消防・警察が駆け付ける大騒動となった為に、
対策として今はワイヤーで船が繋がっているそうです。
川の流れこそ通常時は穏やかですが、高潮や強風の時は、豊川の上流へと力が働くという。
簡単そうに見えますが、相応の技術が必要とされる仕事なのですね。
ゆらゆら少しずつ進む
出発から4分程で対岸に到着。船頭さん、ありがとうございました。
「帰りはどうするのー?」と聞かれたので
また呼ぶのも申し訳ないから「豊川稲荷まで歩きますわー」と返答
ひとり運ぶだけに、また往復するのって結構な労力っぽいですからね・・・。
ナイス牛川の渡船、ナイス船頭さん!
ちなみに、対岸の渡船場はこんな感じ
昭和7年より豊橋市営として運行しているそうですが、起源は不明だという
平安時代から存在した、という情報豊橋市のWEBサイトに書かれていましたが、とりあえず古い事は間違いなさそう
対岸からも聞こえるように、こっちは音色の異なる鐘が3個並んでいます
「豊川稲荷まで歩きますわー」と答えたものの、だいたい6kmくらいの道のり
近くに路線バスも通っていないみたいなので、歩くのはあまりオススメできないかもですね。
休憩含めて1時間半くらいで豊川稲荷駅に到着。お疲れ様でした。
地域住民を支える重要な交通機関、現代では珍しい豊橋の「牛川の渡船」のお話でした
<関連リンク>
□牛川の渡船(牛川の渡し) – 豊橋市WEBサイト