津軽海峡といえば青函連絡船。博物館として第二の人生を送る「メモリアルシップ八甲田丸」へ
青函トンネル開通の昭和63年まで80年間運航した鉄道青函連絡船
いくつかの連絡船は売却や解体などが行われましたが、この八甲田丸は今も青森駅近くに係留されています。
「メモリアルシップ」として博物館化の改造を受け、第二の人生を送る八甲田丸。
津軽海峡といえば青函連絡船。連絡船の事をよく知っておかなければ、という事で足を運びましたお話です
このページはこちらの記事の続きです。
八甲田丸が居るのは青森駅のすぐ北。かつて青函連絡船が着岸していた場所
青森ベイブリッジが目立ちますが、八甲田丸もデカいので遠目からでも結構目立ちます
青函連絡船へ貨車などを搬入するのに使っていた桟橋が保存されています
線路はすぐ途切れていますが、かつては青森駅まで伸びていました。
さすがにもう稼働する事の無い桟橋。
最後の日からから25年から経過し、その姿はもうボロボロ
青森駅のホームから直接青函連絡船の桟橋へ続く通路も、面影が残っています
現在は駅を跨ぐ自由通路として機能し、駅ホームから出入りする事は出来ません。
連絡船へ接続するため、各所からの長距離列車が発着したホームも線路が剥がされ何やら寂しい感じに
桟橋の近くにあった貨車と車掌車。野ざらしなので劣化が激しい・・・
さてさて、こちらがお目当ての青函連絡船「八甲田丸」です
鉄道連絡船としての最終運航日には、青森発の最終便として運行したのがこの八甲田丸
多くの人から惜しまれつつも引退した八甲田丸は、博物館として改造を受けてここに係留されています。
「ジャジャジャジャーン テレレレー」「ジャジャジャジャーン テレレレー」
っと大音量で流れるのは、かの有名な石川さゆり「津軽海峡冬景色」のメロディー
ご存じの通り、津軽海峡を題材にした曲。歌謡碑の前に立つと、センサーにより大音量で流れます
それでは船内へ行ってみましょう。ちなみに入館料は大人500円也
青函連絡船は運行終了前に国鉄からJR北海道へ引き継がれましたが
ファンネルマークは国鉄(JNR)のマークに戻されています。
船内でチケットを買おうと思ったら、カウンターに先客が。
5月末の割に暑そうな格好・・・あれ、これは人形じゃないですか。
こちらのリンゴ売りもよく出来た人形。
実はこれ、かつて同じく青函連絡船の「羊蹄丸」で展示されていた人形たち
羊蹄丸の解体に伴い、当時の青森を再現した展示設備の一部を引き取り、現在は八甲田丸で展示されています。
羊蹄丸は去年、愛媛県の新居浜市まで見に行ったなーと思い出しながらいざ展示ルームへ
<サイト内リンク>
□にいはまに羊蹄丸がやってきた!青函連絡船「羊蹄丸」の最後の姿を訪ねて愛媛県新居浜市へ
かつての座敷席に置かれた羊蹄丸の展示品の数々
うーん・・・せっかく展示しているのだけども、置き場の制約で羊蹄丸ほどの迫力もなく。ちょっと残念でした
気を取り直して次のコーナー。こちらは青函連絡船運航時からのグリーン座席
青函連絡船をよく知らない世代としては、列車でもないのにグリーンって変な感じですね。
フルリクライニングでここまで倒れるグリーン座席。これは凄いな
八甲田丸の展示品は、そのほか模型や資料のパネル展示だったり・・・と
かつての青森駅は駅前こそ整備されてますが、駅舎は今とそれほど変わりませんね
部屋には入れませんが、グリーン座席よりゆったり過ごせる寝台室があったり
船内は博物館として大きく改造されていますが、一部では「船内」と感じさせる狭い通路が残っていたり
操舵室にも入れます。船長っぽい人形が立っててちょっと驚いた
顔がこわい
甲板にも出られます
JNRマークの入った煙突部分が展望台になっているらしいので上がってみましょう
係留船なので大した景色は見られませんが、これはこれで悪くない。
駅方面はこんな感じ
煙突なので、当然ながら動力源の排気が出てくる場所なのですが
よーく見たら展望台化に伴い本来の煙突は塞がれていました。ですよねー
1F部分の車両甲板も公開しており、実際に車両が搬入された状態で保存されています
こちらはヨ6000形貨車、いわゆる車掌車ですね。
スユニ50(郵便荷物合造車)や
キハ82系気動車など。
数や種類はそれほど多くないですが、船内に車両が保存されているのは見応えがある
レールの上に乗っているだけでは不安定なので、現役時代もこのように固定してたんですね。
DD16形ディーゼル機関車とヒ600形貨車。
線路は残っているとはいえ、通路部分は完全に埋められてしまっています。
後方の可動扉に線路は繋がっており、ここが開いて桟橋と繋がり貨車の出し入れを行っていました
車両甲板より更に下、船底部にあるエンジンルーム
八甲田丸には1,600馬力のエンジンが8基搭載されており、そのうちの4基を見学できます。
エンジンと言っても素人には何がどう凄いのか、よく分からなかったりしますが
なかなか入る事の出来ない部屋で、鉄と油の匂いにまみれるのも貴重な体験。
船底部のため扉の造りも頑丈。緊急時に自動で閉じられる水密扉になってました
青函連絡船は何度か沈没という事故が発生しているため、後期の連絡船はそのあたりの造りが徹底されているそうです。
当時の写真を見ると、すっかり博物館に改造され客室の面影は殆どありませんでしたが
外見や一部の通路などはそのままの姿を保っている青函連絡船、八甲田丸。
それでも、青函連絡船をよく知らない世代にとっては貴重な博物館でした。
各部をじっくり巡って1時間半、もう少し手短にすれば所用時間は1時間くらいでしょうか?
駅からも近いので、青森駅周辺を訪れた際には、足を運んでみると良いと思います。
□青森古川市場「のっけ丼」の話題に続きます