今でも乗れる森林鉄道。赤沢自然休養林の森林鉄道に乗ってきました
かつては全国に多く存在した森林鉄道。森林から木材を輸送する目的で建設された鉄道ですが
時代の流れと共にその役目はトラック輸送へと移り、殆どの森林鉄道は廃線して姿を失いました。
そんな森林鉄道ですが、一部では動態保存されており、この赤沢自然休養林の森林鉄道もそのひとつ
木曽の山奥で木材の輸送ではなく、主に「観光目的」での動態保存ではありますが
前々から気になっていたスポットだったので、足を運んでみました。
中央自動車道の中津川ICを降りて国道19号線をひたすら北上する。
いわゆる「木曽路」とも呼ばれるこの地域はJR中央西線と国道19号線が併走しており、高速道路はありません。
特急が停車するのでご存じの方も多いと思う長野県上松町に今回の目的地「赤沢自然休養林」があります
看板の案内に従い、国道を外れ県道へと道を進めます。
赤沢自然休養林まではほぼ一本道。
その道中に木材置き場があったりと、林業が盛んな場所なんだなぁと実感。
しばらく狭い道を走って目的の赤沢自然休養林に到着。
特に入場料的なものは必要ありませんが、駐車料金は有料。600円
整備された遊歩道で森林浴を堪能するのも良さそうですが、やはり気になるのは森林鉄道。
休日は30分毎に運行しており、ちょうど発車直前だったので急ぎ足へ乗車場へと向かいます
ちなみに乗車料金は大人往復800円。片道乗車でも同額
既に結構乗ってますね。急いで乗り込みましょう
間に合いました!
森林鉄道という名前ですが、ご覧のように窓の無い開放的な客車
いわゆる『トロッコ列車』みたいな感じでしょうかね。
ちなみに木札が乗車券になっており、記念に残しておくには都合の良い形状
コースターなんかにも使えそう?
森林鉄道という名に相応しいというべきか、列車ははゆっくりのんびり森林のなかを進みます
赤沢自然休養林という名前で観光地となっていますが、ここは国有林だったりします。
そんな国有林を進む森林鉄道。車内ではアナウンスも流れガイドも行ってくれます。
ただの国有林と思ったら、伊勢神宮で御神体を収めるための器「御樋代木(みひしろぎ)」の元になる木材も
ここ赤沢の森林から搬出されたという事を知って驚き。伊勢神宮のご神体を収める器ったら、相当の物では?
写真は森林資料館の展示資料より。前回の式年遷宮の「御神木祭」の模様
同じく展示資料より。搬出の模様
トロッコから見えた御船代祭跡。
こちらはご神体を収める「御樋代木」を更に収める「御船代(みふなしろ)」の元となる木を伐採した跡
さて、話題が逸れましたが森林鉄道は終点に到着。ここで先頭の機関車を付け替えます
さすがに転車台が無いため、往路における機関車は進行方向と逆向きで客車を引っ張ってました
ポイントの所まで機関車が下がって乗務員のひとりがポイントを切り替えて合図
切り替わったポイントを進み・・・
客車の脇を抜けて・・・
後退して客車へと連結します。
復路は機関車が進行方向と客車に対して正しい方向で取り付けられます
「線路に降りても良いよ」って事でしたので、線路より森林鉄道を眺める
客車はこんな感じ
ポイントに萌える
出発地点へ向けて進み出した復路の列車内に乗客の姿は少なく。
どうやら復路は森林の遊歩道を歩いて帰るという人が多かったようだ
しかし、往復でも料金同じで復路の方が空いてたので、つい乗ってしまいました
再び森林を抜ける列車。少しだけ頭を出して乗るのが楽しいぞ!
小川に沿ってガタゴトと進む。夏場とか、あと紅葉のシーズンに訪れると凄そうですね
今回は混雑を避けて紅葉前に来てしまいました。次に来るときには別のシーズンにでも・・・
乗車した駅へと再び到着。お疲れ様でした。
あ、アルクマだ。
名古屋からそれほど遠くなかったので長野って印象が薄かったのですが、ここは長野県でしたね。
森林鉄道を往復乗車した後は、併設された森林鉄道記念館へ。こちらは無料
記念館という事で、当時の物品やパネルでの写真展示などなど
旅客用ではなく主に木材の運搬用なので、線路が結構危なっかしく見える
展示されていた路線図を拡大。当時は森林鉄道が上松駅に乗り入れていたのが確認できました
こちらは特製C型展望客車。車内には入れず外からの見学のみ。
かつて天皇陛下(当時は皇太子殿下)がこれで赤沢森林鉄道を訪れたとか
つまりはお召し列車という事ですね。
記念館から屋外の展示を見に行く。こちらは当時の積荷を再現した貨車かな?
ポイントに萌える(2回目)
動かしてみたい・・・
待合室として使われていた客車。車内はちょっと狭いぞ
と、そんなこんなで赤沢自然休養林の森林鉄道でした
森林鉄道の後は遊歩道の方でのんびり森林浴などをして時間を過ごす
山奥で緑も多く、気分がすっきりした・・・ような気がします。
実は訪問をしたのは10月上旬で、これを公開した頃には既に冬期休業期間へと突入していると思います
次回の運転は春の大型連休より。また次のシーズンに思い出して足を運んではいかがでしょうか?
<関連リンク>
□上松町観光サイト:赤沢森林鉄道