近代化産業遺産探訪。三重県桑名市の「諸戸水道貯水池遺構」へ
桑名の豪商、初代諸戸清六によって計画され、明治37年(1904年)に竣工した上水道「諸戸水道」
軍用を除いた近代的な上水道としては、全国で7番目に完成しました。
そんな諸戸水道の遺構が桑名市の丘陵地に残っています。
近代化産業遺産にも指定されている「諸戸水道貯水池遺構」を見に行ったお話
という訳で西桑名駅から三岐鉄道北勢線に乗車
全国でも珍しいナローゲージ(軌間762mm)のため、車両はとても小さい
西桑名駅から1駅。馬道駅で下車
高校の最寄り駅らしくどっと乗車した生徒で車内は一気に満員となりました
鉄道に詳しくない人でも、車両が小さいというのはお分かり頂けるだろう。
ローカル線で馬道駅は無人ですが、自動改札機がありました。
そもそも、目的地は桑名駅から歩くことが出来る範囲なんですが、フリーきっぷを持ってたので折角だし。
フリーきっぷは自動改札機を通れないのでインターホンで対応してもらう。
線路幅も狭いので鉄道用地も狭い気がする・・・。
地図を片手に「諸戸水道貯水池遺構」を目指す
どうもこの辺りは住宅地らしく、本当にこんな所に近代化産業遺産があるのか?と疑いながら進む
あ、高い所にそれっぽい用地が見えた
民家とフェンスの間の狭い道。
地図には書いてないけどここ通っていいのか・・・?
あ、ありました。これが「諸戸水道貯水池遺構」か。
かつては建屋があったようですが、残っているのはレンガ造りの貯水槽部分のみ。
管理者(?)である桑名市教育委員会の看板。周囲は金網で覆われているので金網越しでしか確認できません。
「近代化産業遺産」のプレートは確認できませんでしたが、かつての諸戸水道の解説が置かれていました
初代諸戸清六は、衛生的な飲み水を求めるため桑名の丘陵地に地下水を貯める水源井を建設
揖斐川沿いにある自宅用まで2.3kmの鉄管を引き、自家用の水道を完成させました。
その際に余った水は町民へ無償で提供されたという。
自家用水道の成功を得た諸戸清六は、次に本格的な水道建設に取り組み
町民に必要な水量を確保する為に作られたのが、今回訪問した「諸戸水道貯水池遺構」というワケ
諸戸水道は大正13年(1924年)に諸戸家により桑名町へ寄付され、
新しい水道が完成する昭和4年(1929年)まで使われていたそうです。
「諸戸水道貯水池遺構」の隣は公園として整備されていました。
ベンチがあるだけで遊具は特にありません。
「へぇ、桑名にそんな水道の歴史が」という史実を知る良い機会となりましたが
遺構としてはちょっと地味かもですね。
公園からはナガシマスパーランドが見えます。あそこも桑名市(旧長島町)でしたね。
丘陵地から見た桑名の市街地。今日はもう遅いので旧諸戸家住宅は今度訪問しましょう
という訳で「諸戸水道貯水池遺構」でした。
ナローゲージに近代化産業遺産。あわせて訪れてはいかがでしょうか?
<関連リンク>
□桑名市観光ガイド・諸戸水道貯水池遺構概要
□諸戸水道貯水池遺構 – かんこうみえ