比較的ゆるい登山をしてる私が、富士登山に挑戦したお話。
登山を始めて約3年になりましたが、避けては通れない奴に挑戦する時がやってきました。
そう、それは富士山である!
日本最高峰、知らない人は居ないだろうその山は姿だけではなく登山の対象としても有名。
「なんか大変そう」という理由で避けてきましたが、この夏色々あって挑戦する事となりました。
その模様をざっくりとお届けする予定。
2016年9月2日(金)の深夜。新東名高速道路を東へと向かう
チャレンジするのは会社勤めの男3人。
平日は仕事なので金曜日の夜に出発し、土日で富士登山をしてしまおうという算段。
高速を降りて富士山の麓を走行するも、周囲が真っ暗で何にも見えず・・・。
きっと日中であれば富士山の姿が見えるんだろうけど、登山口の案内看板でここが富士山麓だと分かる程度。
御殿場口の駐車場に車を置き車中泊。周囲が明るくなった午前5時に行動開始。
富士登山といえば、元々人が多かったうえに世界遺産登録の影響で登山者は更に増えて
特に週末なんかは駐車場の入庫に苦労するなんて話を聞いてましたが、駐車場ガラガラで拍子抜け。
・富士山には4つの登山道があり、この御殿場ルートは一番キツい
・挑戦したのが登山シーズン終了間際の9月
たぶん、空いてる理由はこんな感じじゃないかなと。
準備も整いましたし、御殿場口新五合目より登山スタート!!
・・・のつもりでしたが、当初の予定(山小屋に宿泊して山頂でご来光)だと
深夜から早朝に向けて雨降りの予報にブチ当たるという、何とも由々しい自体に。
ヘイ、タクシー!!
この時間からタクシーが捕まるか心配でしたが、数社に電話して何とか配車してもらう事が出来ました。
車を御殿場口駐車場に置いたまま、タクシーで富士宮ルートの登山口へと移動します。
【変更前】
御殿場ルート → 御殿場ルートの山小屋泊 → 山頂でご来光 → 御殿場ルートで下山【変更後】
富士宮ルート → 山頂 → 御殿場ルートの山小屋泊 → 御殿場ルートで下山
変更はこんな感じ。
山頂でのご来光が出来なくなってしまいますが、悪天候が予想されるなら仕方がない。
それに御殿場ルートだと、山小屋からご来光が見えるらしいので、それで良しとしましょう。
タクシーで富士宮ルート五合目まで到着。
マイカー規制なので、富士宮ルート用の駐車場からシャトルバスに乗るのが一般的なのですが、
既に登山客でバス乗車待ち列が大変な事になっていたため、そのままタクシーで移動しました。
料金はだいたい8,000円ほど。長距離なので仕方がないですね。
ちなみに、富士宮ルートは難易度的には最も初心者向けのルート
利用者数的には山梨県側の吉田ルートの次となりますが、やはり御殿場ルートと違って人が多い!
世界遺産に登録された富士山。それを示す案内もありました。
表示されている標高は2,400メートル。
ここから山頂3,776メートルまでは1,376メートルの高低差となります。
私もいくつか山を登ってきたので、この高低差で泊まり登山なら、何とかなるかな?
上方を見上げると、雲でモヤって山頂付近はぼんやりしててよく見えない
写真撮ったり便所行ったり、準備運動をしていたら、何だかんだで時刻は6時40分
それでは富士山頂に向けて、行動開始であります!!
で、スタートして20分くらいで最初の山小屋が見えてきます
富士宮ルートも吉田ルートに次いで利用者が多いため、山小屋も山頂までに7軒営業しています。
行動はまだ始まったばかりですが、慌てず高度順応を兼ねて山小屋前のベンチで休憩。
標高は登山口の時点で2,400メートルを越えていて酸素も薄けりゃ気圧も低い
高山病になると登頂どころか下山するのも大変なので、今回はゆっくり行くつもり。
しばし休憩して再びスタート。
富士山はご存じのとおり独立峰。森林限界を超えると登山道は写真のように土と岩との世界
また登山道もつづら折りになっていて高度はどんどん上がるけど、景色は大きく変わりません。
富士山は混雑するし、登山道が楽しくない、という意見にも納得ですね。
スタートから1時間20分、新七合目の山小屋へ到着。
登山道に背を向けると、素晴らしい眺望が見えなくもないけど雲に隠れてしまっている。
長めの休憩を終えたら再びスタート。
以降、登山道で疲れたら立ち休憩。山小屋に着いたら長めの休憩というパターンを繰り返します。
登山中は仲間内で会話しながら、という事もあるんですが基本は黙って登り続けます。
会話するのも疲れますからね・・・。無心で黙々と登る感じ。
スタートから2時間30分、標高3,010メートルの元祖七合目の山小屋に到着。
富士宮ルートのシャトルバス運行開始と同じくらいの時間にスタートしたのですが
我々の登山ペースは周囲のそれより遅く、道中では追い抜かれる事が多々。
休憩する区切りともなる山小屋はご覧のように大混雑。この先、大丈夫かな?
雲のなかに入ってしまったのか、遠くがさっぱり見えない。
曇りならまだマシだけど、山頂へ到着するまでに雨が降らないか心配。
登っては休憩、登っては休憩を繰り返し、ついに雲の上までやってきた?
スタートから3時間30分、標高3,250メートルの八合目の山小屋に到着。
ここへ来て、覆い被さってた厚い雲がスーッと流れて視界が開ける
おおおおー!これまで通ってきた山小屋や登山道が見えるぞ!!
駿河湾の形もくっきり見えるくらい視界が晴れました。
よーし、疲れもちょっとだけ飛んだ気がする。残りもガンバルゾ!
見上げると山頂っぽい部分が見えてきた?
スタートから4時間40分、九合目の山小屋に到着。標高3,460メートル!!
標高において日本第二位の「北岳」が3,193メートルなので、
既に富士山以外のどの山より高い場所に到達しているのだ!
このあたりまで来ると酸素も薄い。行動してすぐに疲れるのも気のせいではないだろう。
休憩がてら駿河湾の方を見るが、確かに同じ所を登ってるので眺望はあまり変わらねぇな。
山頂は見えてきた。さぁガンバロー!
スタートから5時間40分、九合五勺の山小屋に到着。標高3,590mメートル
明らかにペースが遅くなってますが、休憩時間の長さと登山道の混雑が理由かなと。
(富士宮ルートは下山ルートが同じのため余計に混雑する)
この辺りになると、ぐったり横になって休憩している登山者をちらほら見ました。
山小屋の上を見上げると、もうそこに「先」が見えない。あそこがゴールなのか?
再び登り始め、そして見えてきた鳥居
この鳥居が富士宮ルート終了の目印。
ついに登ったー!!
行動開始から7時間20分、富士宮ルートを登り終えました!
遠くに見えるのは、さっきからあんまり景色の変わらない駿河湾。
けれども雲も晴れて実に良い景色だ。この達成感、これだから登山は楽しいのだ。
こんな所ですが神社(頂上浅間大社奥宮)があり、まずはそこへお参り。
時間帯的に、早朝から山頂を目指した人であろう。休む人の姿が多々
そう、登ったからには下山しないといけませんからね・・・。
富士山といえば火山。旧噴火口を見に行ってみよう
大きく窪んだ富士山の旧噴火口。スケールの大きさに圧倒される
で、富士宮ルートを登り終えましたが、実はまだ富士山の頂上ではありません!
富士山の頂上(3,776メートル)はあの先、火口外周壁の最も高い所が日本国内最高地点なのだ
最高地点(剣が峰)を目指して最後の坂(馬の背)を登る。
結構な斜度の割に階段状の整備がされていないので、ずるっと滑って歩き辛い
登り切って目の前に飛び出すのは人の行列。
山頂渋滞?いえ、記念撮影するための順番待ちです。
そうですよね、日本国内最高地点で記念撮影したいですよね。
スタートから7時間40分・・・
ついに日本国内最高地点へと到達しました!
感激!と書きたい所ですが、富士宮ルートを登り切った所が感動のピークで
正直ここまで来たけど実感はちょっと薄かったかも。けれども苦労してここまでやって来たのは事実。
そんな事より驚いたのが、富士山って二等三角点なんですね。一等やないんだ。
しばし山頂での眺望を楽しみつつ、けれども山小屋への移動のために下山をしなければなりません。
とりあえず無事に登頂する事が出来たので良かった良かった。
長くなったので、山小屋宿泊と下山編に続きます。