インクラインに水路閣。京都の近代化産業遺産、琵琶湖疏水を追え!
京都の南禅寺境内を通り抜ける赤レンガのアーチ橋「水路閣」。琵琶湖から続く水路の一部。
明治時代、琵琶湖から京都へ水を運ぶ為の水路「琵琶湖疏水」が建設されました
歴史あるその水路は、この水路閣を含め平成となった現代でも現役で使われています。
そんな京都の産業遺産を水の流れと共に追いかけてみました。
という訳で青春18きっぷにて京都へとやってきました。
本来の予定なら明石あたりで夏空と海を堪能するつもりでしたが、この日は雨降りのため産業遺産探訪に変更
回送列車の人と京都駅で合流して、いざ琵琶湖疏水へ。
京都駅から地下鉄に乗って蹴上駅まで移動。琵琶湖疏水の探訪はここから始まる
駅抜けようとすると「琵琶湖疏水記念館」の案内が。まずはこの資料館へ向かいましょう
っと思ったら記念館に到着する前にいきなりなんかあった!
鉄道のそれより大きく幅のあるレールが2線。それに貨車(?)に乗った船が置いてあります
この謎のレールと貨車、これも琵琶湖疏水に関する遺産のひとつ「インクライン」と呼ばれるもの
琵琶湖疏水では生活用水を運ぶほか、水路を使い近江地方から京都へと物資の輸送路も兼ねており
高低差が大きく、船がそのまま通れないこの区間で船を運ぶために作られたのが、このインクラインだそうです。
お目当ての「近代化産業遺産」のプレートあり
坂道に続くインクライン。調べてみると全長587mほどあるそうです
疏水記念館へ行こうと思ってたけど、ここを上まで上がってみると何があるのかな?
インクライン上流部の終点までやってきました。ここにも復元された貨車が置いてある
当時は貨車をまるごと水路に沈めて船を下ろすというダイナミックさ!
なおさすがに人力ではなく、ワイヤーと機械動力(途中から電気)を使って行っていたそうです。
この先を行けば琵琶湖へ続いているのですが、山科周辺の区間は殆どが暗渠でありその姿を見ることはできません
写真奥のトンネルが第1疏水、ちょっと分かりづらいですが左側が第2疏水と呼ばれるルート
蹴上は琵琶湖から2ルートで続く水路が合流するポイントでもあります。
インクラインを上流から下流方面を眺める。有名な花見のスポットらしく、春は多くの人が集まるそうです
近くの公園みたいな場所でも、琵琶湖疏水に関する展示がいくつかありました
こちらは導水管の実物。人がすっぽり入るくらいにでっかい導水管です
インクラインの所から続く水路を辿ると、水がざーざー流れる音が
何だろう?と見に行くと洗堰に流れ落ちる大量の水
あー、雨が降って増水してるからここに水が流れるのか。雨の日こそ見られた光景ですね
よーく見ると関西電力の文字が。
実はこの水路の先に水力発電所があるそうなのですが、まさかこんな京都市内に発電所があるとは驚きだ
(水力発電って川とかダムとかのイメージなので)
琵琶湖疏水に関する案内版がまたありました。
水路図を見ると、この先も色々と繋がっているみたいだ。
とりあえず水路を追いかけて、まずは水力発電所へ
近寄れなさそうな雰囲気でしたは、通り抜け程度には通路を開放している様子
右の写真は坂の下にある蹴上発電所へと続く送水管。
送水管のゲート(写真奥)の裏手まで来ました
インクラインの所からやってきた水路が100%水力発電に使われると思ったら、どうやら違うみたい
その先にも水が続いている(写真手前)みたいなので、その水路を追いかけることに
水路追い、辿り着くのは森の中。一体どこに繋がっているんだ・・・?
そもそも、ここって立ち入って大丈夫な所なんだろうか?
さっき発電所の所ですれ違った人が居るし、向こう側はどこかに繋がってるはず
人が歩ける程度には整備されてるっぽいし多分大丈夫だろう・・・?
あれ、水路が行き止まりになってる。でも右脇に抜けれるっぽいな
あれ、これは・・・?
南禅寺の水路閣だー!!
南禅寺を横断する赤レンガの水道橋。
全く異なる時代に作られており、その庭園と赤レンガのミスマッチ感がほんのり伝わる
けれども、それはそれで見応えのある水路閣である。
ここ、あとから行こうと思ってたんですが思わぬショートカットだった(笑
場所の関係で全景を写真に収めることは出来ませんが、案内図だと結構長いよ水路閣
橋の下からのぞき込む
水路閣の先はどうなっているのだろう?と再び追いかけると、その先は暗渠
この先を更に辿ると、有名な観光地「哲学の道」に繋がっているそうです。
京都の寺に明治時代の水路閣。水を追いかけての短い短い旅でしたが、面白かったー!
寺の門を抜けて蹴上駅方面へ戻る。裏口から侵入したようなものなので、門から入らず門から出る違和感
しばらく歩いてインクラインの下流の所まで戻ってきました。
インクラインの始点にあるのは琵琶湖疏水記念館。ここでは疏水の歴史や役割などを展示で学ぶことができます。
さっき実際に見てきたばかりなので、復習がてら展示を見て「なるほど」と学習
ちなみに館内は撮影NGのため写真はありませんが・・。琵琶湖疏水探訪の際は立ち寄ると良いです
そんなこんなで京都琵琶湖疏水探訪でした。
京都の四季折々の景色、それに文化財も見どころですが、こんな遺産をめぐるのも面白いものですよ